金の純度とは?24K・18K・14Kの違い

24K、18K、14Kの金の純度に関する図 金の科学

1. はじめに|金の純度ってなに?

金(ゴールド)は「高級」「価値がある」と思われがちですが、実はジュエリーや腕時計などに使われる金は、必ずしも「純金(24K)」ではありません。

「18K」や「14K」といった表記を見たことはありませんか?

金は通常他の金属が混ぜられた「合金」になっていて、18Kなどは金の純度を意味しています。

この記事では、「金の純度とは何か?」を解説しながら、24K・18K・14Kの違いや、なぜ合金が使われるのかをわかりやすくご紹介します。


2. そもそもなぜ金に「混ぜ物」をするの?純金はやわらかい?

金は、そのままだととてもやわらかい金属です。 だから、ジュエリーやアクセサリーとして毎日使うと、傷ついたり曲がってしまうことがあります。

そこで、他の金属を少し混ぜて、硬さや色を調整するのです。 このように混ぜる金属のことを「割り金(わりがね)」と呼びます。

よく使われる割り金

  • 銀(Ag):自然な色を保ちつつ少し硬くなる
  • 銅(Cu):赤みが出て、硬さが上がる
  • パラジウム(Pd):白っぽくなる
  • ニッケル(Ni):白っぽくなる
  • 亜鉛(Zn):色や硬さを微調整

3. 「K(カラット)」ってなに?|由来と計算のしかた

そして、金の純度を表す「K(カラット)」は、どういう意味でしょうか。これは24分率で金の割合を示す単位です。

たとえば:

  • 24K = 24/24 = 100% に近い金(純金)
  • 22K = 22/24 = 91.7%
  • 18K = 18/24 = 75%
  • 14K = 14/24 = 58.3%
  • 10K = 10/24 = 41.7%

つまり、「K」の数字が小さくなるほど、金以外の金属(割り金)が多く含まれているということです。

それぞれの純度によって、色合い・強度・価格・使い方が大きく変わります。
14Kは18Kよりさらに硬く、カジュアルなジュエリーや普段使いに向いています。
一方、24Kは柔らかく変形しやすいものの、その純度の高さから資産価値や象徴的価値がある金と言えるでしょう。

項目24K金18K金14K金
純度約99.9%
(純金)
約75%
(金が3/4)
約58.3%
(金は半分近く)
色味非常に鮮やかな黄色落ち着いた金色
(やや淡め)
さらに白っぽく、淡い金色
硬さ・強度非常に柔らかく変形しやすい合金なので硬くて傷がつきにくいさらに硬くて耐久性が高い
価格帯最も高価中間価格帯比較的安価
用途資産用・記念用・工芸品ジュエリー
(日常使いも可)
カジュアルアクセサリー
変色のしやすさしにくい
(純金は安定)
変色する可能性あり(混合金属の影響)変色しやすい
(銅や銀の影響)

18K金は75%の純度で、日常使いに向いた金です(▶ 金が錆びない理由はこちらの記事で詳しく解説しています)。


ところで、このKの由来にはイナゴ豆説と呼ばれるものがあります。Kの語源はギリシャ語のイナゴ豆(keration)で、

アラビア語「qīrāṭ」→ ラテン語「caratus」→ フランス語「carat」へ

となるようです。

昔の地中海地域では、イナゴ豆の種が重さの基準として使われていたそうです。というのも、イナゴ豆の種は乾燥しても一粒あたりの重さがほぼ一定(約0.2g)だったからです。

この安定した重さを利用して、古代の人々は宝石や金の重さを測る基準にしていた──というのが「イナゴ豆説」です。

ちなみに24KやK24と表記方法が異なることもありますが、意味するところは同じです。


4. カラーゴールドとは?|色ごとの特徴と使い方

金は、割り金の種類によってさまざまな色に変わります。 これを「カラーゴールド」といいます。

名称割り金の例見た目・特徴よく使われる純度
イエローゴールド銀15%
銅10%
パラジウム0%
明るい金色。定番で高級感あり。曲がったり折れたりしにくい。18K、14K
ピンクゴールド銀5%
銅18%
パラジウム2% 
赤みがあり、やさしい印象。変色しやすい。18K、14K
レッドゴールド銀10%
銅15%
パラジウム0%
深い赤み。アンティーク調。硬くて柔軟性がある。18K
グリーンゴールド銀25%
銅0%
パラジウム0% 
緑がかった金色。珍しい18K(希少)
ホワイトゴールド銀15%
銅0%
パラジウム10% 
白っぽく、プラチナに近い見た目18K、14K

5. 金の純度はどうやって測るの?

金の純度を調べるには、科学的な方法や簡易的なテスト方法があります。

方法どんな方法?特徴
比重法密度を測って金の割合を測定手軽である程度精度あり
試金石と酸石にこすりつけて酸をかけて変化を見る宝石店などで使われる簡易法
灰吹法(はいふき)高温で鉛などと一緒に溶かして、金だけを取り出す正確だが時間と手間がかかる(破壊検査)
X線分析(蛍光X線)特定のX線を当てて金の量を測定壊さずにすぐ測れるが、表面だけしかわからない
ICP-MSなど最新の高感度分析(質量分析)研究機関向け。非常に精密

自宅で純度を測るなら?便利な比重計テスターの紹介

金製品を持っていて、「これ本当に純金かな?」「18Kってどれくらい?」と気になったことはありませんか?

実は、アルキメデスの原理を使った比重計を使えば、自宅でもある程度の純度チェックができるんです。

例えば、以下のような純度テスターを使うと、水に沈めて密度を測るだけで純度の目安が分かります。

金の純度が下がると化学的性質はどう変わる?

金の純度が低くなる(18Kや14Kなど)ということは、割り金として他の金属が多く含まれるということです。これにより、金本来の安定した性質が変化することがあります。

性質24K(純金)純度が低くなると…
(例:18K, 14K)
化学的安定性非常に高く、ほとんど酸化・腐食しない混ざる金属によって酸化や腐食のリスクが上がる
変色のしにくさ空気や汗でも変色しにくい銅や銀が酸化してくすむ可能性がある
耐食性極めて高い使用環境や割り金によっては低下することも
電気伝導性非常に高い(銀に次ぐ)合金化によってやや低下することがある

たとえば、ピンクゴールドに多く使われる銅は、空気中で酸化しやすく、汗や湿気で黒ずむことがあります。

このように、純度が下がると金本来の化学的な安定性はやや損なわれるため、「どこで・どんなふうに使うか」を考えて選ぶことが大切です。


6. まとめ|金の純度がわかると、もっと選びやすくなる!

金の純度は、見た目・硬さ・価値・用途に深く関係しています。

「24K=一番高い」というイメージはありますが、日常で使うなら18Kや14Kの方が実用的な場合も多いです。

また、ピンクゴールドやホワイトゴールドなどのカラーゴールドも、割り金の工夫によって生まれた魅力あるバリエーションです。

純度を知ることは、ジュエリー選びや金の価値を見極めるための第一歩。 初心者の方でも、自分の使い方に合った金を選べるようになりますよ。


次回予告:以上のように、美しくて安定した金にも弱点と呼ばれる意外な一面があります。次回は「金の弱点とは?」というテーマで金の弱点について掘り下げていきたいと思います。

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