金の腐食は可能!
今日は金の腐食について考えてみたいと思います。
え?金は安定だからなにしても変わらないんじゃないの?って思ってますか?
そんなことはありません。金のアクセサリーだって黒ずんだりします。
安定だ、安定だと言われている金は不安定な要素も抱えています。
本記事では金がどういう状況で不安定になるか解説していきたいと思います。
金は錆びない。だが、本当か?
本当です。金は錆びません。ですが、金のアクセサリーは錆びることはあります。
ご想像の通り金という物質は地球上では極めて安定で、酸素が来ても、水が来ても、錆びません。
アクセサリーが錆びるのは金が割金といって他の金属が混ざった状態になっているからです。
他の金属とは銀や銅などの錆びる金属です。これらが錆びて色が変わっているのです。
金を24Kの純金としては柔らかくて使えないことを考えると、宝飾品などには18Kなどの合金として使うのがセオリーです。それを考えると「金は錆びる」と考えた方がいいかもしれません。
上の文を少し詳しく書くと、「純金は錆びません。ですが、18金や14金のアクセサリーは錆びることがあります。」となります。
火であぶるとどうなるか?
家庭用ライターやコンロの火は1000℃になりません。せいぜい数百℃です。
温度が上がっても金は錆が発生しにくいので基本的にはないも変わりません。
なかなか変化してくれません。
溶かすことはできるのか?
できます。熱でどろどろにできます。
具体的には1064℃で溶けます(参考:Wikipedia「金」)。
1000℃は身近にない温度なので、かなり高い温度と思うかもしれませんが、金属を溶かす、という意味では比較的低い温度です。鉄は1500℃以上が必要になります。
ちなみのどんどん温度を上げて2857℃で金は気化してしまいます。気化してしまえば誰も金だと認識できないでしょう。
トンカチでたたいて壊すことはできるか?
こうなったら叩いて、破壊してみるのは、どうでしょうか。
通常は伸びていくだけ
叩いても壊しにくいです。割れる、というより変形していくので、叩いたらどんどん形が変わっていきます。
硬さとしても金属としてはとても柔らかい部類になり、爪で傷をつけることができます。
なぜ柔らかいか、というと、金の結晶構造が面心立方格子であることに起因しますが、詳細は別のところで説明したいと思います。
低温で叩くとどうなるか?
実は低温で叩いても、壊れません。
なぜなら上述した結晶構造が変化しないからです。詳細は別で説明します。
どうしたら金を倒せるのか?
こうなってくるともう薬品を使うしかありません。薬品では金を変質させられるのでしょうか?
金を薬品で溶かす方法について解説します。
ヨードチンキが現実的な答え
金を倒すのは薬品しかありません。シアン化ナトリウムか王水かヨードチンキです。どれも金をイオン化する能力があります。
前者の二つはとても危険です。一般の人はもちろん、化学科を出たくらいの人でも、無理に触らない方がいいです。
一番安全なのはヨードチンキです。なぜならヨウ素、ヨウ化カリウムをエタノールに溶かしたもので、消毒用の外用薬です。
つまり、一般の人が金を倒すことができる唯一解はヨードチンキです。
まとめ
金はなかなか腐食させることはできません。
ヨードチンキで溶かすことができると言いましたが、大量のヨウ素が必要になります。
現在、人間が金を安全に制することはできません。
物質として金はとても強く、その価値を高く保つ要因となっているのです。
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