2025年10月現在、金価格の高騰が続いておりニュースでも話題に上がるようになってきています。金自体への需要の高まりもありますが、その背景には「円安」も関係しています。
こうじなぜ円安になると金価格が上がるのでしょうか?簡単に解説していきます。
円安とは?
「円安」とは、日本円の価値が下がることを指します。
たとえば、以前は1ドルを100円で買えましたが、いまは1ドルを買うのに150円くらい必要になっています。これは「1ドルを買うのにより多くの円が必要になった」つまり、「円の価値が下がり、ドルの価値が相対的に上がった」状態です。──つまり、円が安くなったと表現し、「円安」となります。
一方、1ドル=80円など円の価値が上がることを「円高」と呼びます。



数字が大きくなると安いというのは最初戸惑うかと思います。
円安と金価格の関係
金価格はドルで取引されている
金の国際価格はドル建てで取引されています。つまり、つまり、金の国際価格はドルで決まり、日本ではその価格を円に換算して表示しています。
(日本円での金価格)=(ドル建て価格)x(為替レート)
ここで、為替レートは1ドルを買うのに必要な円を意味しています。具体的には、1ドル=100円から150円に円安が進むと、同じドル価格の金でも円換算では1.5倍になります。
さらにドル建ての価格は1トロイオンスという聞き慣れない単位で取引されています。1トロイオンスは31.1035gです。1gあたりの価格で見たいので31.1035gで割る必要があります。
(1gあたりの日本円での金価格)=(ドル建て価格)÷ 31.1035 x(為替レート)



1トロイオンス。。。ちょっと複雑になりましたが、1gあたりに直しただけです。
金現物を買う場合は消費税がかかる
金を買う場合、消費税がかかります。ですので、全体に10%かける必要があります。
(1gあたりの日本円での金価格)=(ドル建て価格)÷ 31.1035 x(為替レート)x(消費税)
日本円での金価格の計算方法まとめ
以上をまとめると、日本で表示される金価格(1gあたりの税込価格)は、次の式でおおむね決まります。
金価格(円/g)= 国際金価格(ドル/トロイオンス) × 為替レート(円/ドル) ÷ 31.1035 × 1.1



トロイオンスと為替レートのおかげでややこしくなりましたが、これで完成です。
各要素の意味
国際金価格(ドル/トロイオンス)
ロンドン金市場(LBMA)などで決まる基準価格。
為替レート(円/ドル)
円安(=円の価値が下がる)になると、日本円換算の金価格は上がる。
31.1035
1トロイオンス=31.1035g の換算係数。
消費税率(現在10%)
国内での店頭販売価格には消費税が上乗せされる。
計算例(2025年10月17日現在)
- 国際金価格:4328ドル/トロイオンス
- 為替レート:150.43円/ドル
- 消費税:10%
計算すると(2025年10月17日 6時ごろのリアルタイム価格)、
4,328ドル/トロイオンス x 150.43円/ドル ÷ 31.1035g/トロイオンス x 1.1 = 23025.29117 円/g
となります。実際の店頭価格(田中貴金属など)では、これにプレミアム(国内需給、為替タイムラグ、流通コストなど)が上乗せされるため、この前後の価格になります。



リアルタイムの価格を算出したら、1g 23,000円超えていました!
仮に1ドル100円の時の計算をすると、15306円/gとなります。150円の円安になると23000円を超えていますので、円安が進むと金が高くなることがわかると思います。
まとめ
以上が、円安が進むと、同じ量の金でも円で見ると高くなる──これが金価格が上がる理由です。
金は世界的に価値が変わらない「国際資産」ですが、日本円の価値が下がることで「円建ての価格」は上がって見えるのです。



円安時代には金が資産防衛の手段として注目されるのですね。










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